道路が人の流れを変え、世界遺産の風景をつくる
静岡市清水区三保(御穂神社前)
御穂神社の前。世界遺産の入口で道路と空間を改善しました。
- 事業名
- 御穂神社前道路の設計
- 実施期間
- 2016年08月〜2018年07月
- 担当部署
- 設計部
三保松原への入口となる場所。世界遺産としてふさわしい空間に。
世界遺産認定され観光客が増加する中で、さまざまな課題が浮かびあがってきました。観光客が多くなるとクルマの交通が増えて、歩行者が危なくなります。「歩道にガードレール」「交差点に信号が欲しい」という声もありました。また、沿道民地のプライバシーが低下することも危惧されました。世界遺産の入口にふさわしい景観にしたいという意見も。
それらを、道路の観点から変えることで解決しようとしました。
道路ができることを、様々なカタチに。
まず、動線を変えることにしました。歩行者とクルマの交錯を軽減させ、民家のプライバシーを守るために、歩行動線を神社側に誘導することに。動線を意識させるために、設えを高質化して自然と足が向くように設計しました。さらに、神社側の歩道を広くし、安心して移動できるようバリアフリー化も徹底しています。
車両速度を抑えることも目指しました。車道幅員を狭め、交差点にハンプを設置。車道部を石畳化し、歩行者優先の雰囲気をつくり、ドライバーにスピードを出させないようにしました。
そして、世界遺産富士山の構成遺産にふさわしい景観づくりを強く意識しました。道路空間までも御穂神社、神の道になじむように設計しています。
新しい人の流れが生まれ、ゆったりとした空間の中で、多くの人やクルマが安全に行き来するようになりました。